区政報告    

第31回区政報告
1.葛飾区の今後の課題
我が国は、既に平成17年に人口減少局面に入っており、平成18年12月に国立社会保証・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によれば、今後、−層少子高齢化が進行し、平成29年には、75歳以上高齢者数が、65歳から74歳の高齢者の人口を上回り、その後もさらに増加を続けることで、高齢者の中における、75歳以上人口の占める割合が一層大きくなっていくと推計されています。
 一方、葛飾区の人口動態について、総人口は、平成31年までは増加の傾向が続き、平成32年から人口減少過程へ移行し、少子高齢化も徐々に進んでいくという推計結果があります。特に75歳以上の高齢者数の増加が国の推計結果と一致します。
 こうした人口構造の変化は、保健福祉、子育て支援分野はもとより、その他の行政サービスについても様々な影響をもたらすため、長期的変化を見通した上で各種施策を構築していく必要があります。
そして、今後の区の発展を考えるならば、超高齢社会への準備を進める一方で、引き続き、若い人やファミリー層の社会的流入を促進して、少子高齢化を少しでも食い止め、総人口、とりわけ、生産年齢人口を確保していく視点が重要であます。
東京理科大学の開学を契機に教育施策の充実、待機児解消、鉄道の利便性向上、保健医療のレベルアップなどの環境整備が必要と考えられます。

2.財政について
 アメリカの債務危機に端を発した超円高や世界同時株安が進行しており、国内経済の先行きは産業の空洞化を含め非常に不透明な状況となっております。また、ギリシャをはじめとする財政危機問題が欧州経済にも大きな影を落としております。
 急激な経済のグローバル化が進む中、国内企業の生産拠点の海外移転が加速することが危惧され、産業の空洞化による税収の落ち込みも予想される状況にあります。
 このようなことから、歳入の主要を占める東京都からの特別区交付金(法人住民税を原資とした財調交付金、平成23年度、634億円)には期待できないとともに、特別区税(平成23年度、307億円)の減収が予想されることから、来年度予算については厳しい査定が必要になり、今後、事務事業の見直し、補助事業の見直し、職員数の削減等を含めた「新たな行財政改革」を強力に進め、歳出の削減を図る必要になるとおもいます。

3.自然災害から区民生活の安心・安全をどのように守るには
今年の3月11日に発生した東日本大震災は、日本における観測史上最大のマグニチュード9.0を記録し、震度7という強い揺れとともに、場所によっては遡上高が40mにも上る大津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。
震災による死者・行方不明者は約2万人、建築物の全壊・半壊は合わせて27万戸以上と、岩手、宮城、福島の3県を中心として、未曾有の大災害となり、東日本大震災は、区民の災害への意識をも根本的に変えたとも言われております。
また、近年地球温暖化による異常気象が近年取りざたされる中、本区においてもゲリラ豪雨による水害被害はいつ発生してもおかしくない状況にあり、水害対策への取り組みは喫緊の課題であります。
今後想定されるゲリラ豪雨や首都直下地震への対応などを踏まえ、災害から区民の安全・安心を守るための長期的課題をどのように捉えていくかが重要と考えられます。 

 雄勝町の惨状
私は、第4定例会終了の翌日12月16日、葛飾区と相互応援協定を結んでいる石巻市雄勝町の現状を視察してまいりました。
新聞報道によると、雄勝町は宮城県内でも特に津波による被害が大きく、地震と津波により沿岸道路が寸断され「陸の孤島」となってしまった町です。
雄勝町の惨状は地震発生後30分で津波が押し寄せ、波の高さは20メートルで想定外の規模だったため、3階建ての庁舎の屋上近くまで水が上がってきたそうです。
2階にあった防災用品もほとんど流され、放送設備も水につかり、町内に注意を呼びかけることもできず、死者、行方不明者合せて300人弱、多くは高齢者が亡くなったそうです。
中心部は一面が瓦礫に覆われ、観光バスが2階建ての公民館に乗り上げ、小中学校は廃墟と化し、悲惨な状況だったそうです。
家屋約1600戸のうち8割が全壊し、電気・ガス・水道・電話のすべてのライフラインが全滅状態で、1195名が避難所14個所に身を寄せて過ごしたとの報道がありました。
私は現地には特に連絡を取らず、雪が降る前に震災から9カ月後の被災地の状況を知り、今後の防災対策に役立つ何かを求め、下記のルートで往復15時間、900キロの厳しい行程でしたが津波の恐ろしさを肌で感じて参りました。
被災地視察ルート
 金町→(外環自動車道)→(東北自動車道)→仙台南IC→(仙台南部有料道路)→仙台若林JCT→(仙台東部有料道路)→利府JCT→鳴瀬奥松島IC→(三陸自動車道・無料区間)→石巻河南→108号線→398号線→石巻市街→(石巻街道)→(女川街道)→女川市街→398号線→雄勝町→30号線→河北IC→(三陸自動車道)→松島→(仙台東部有料道路)→(仙台南部有料道路)→(東北自動車道)→(外環自動車道)→金町
4.JR金町駅、歩行者・自転車交通量調査の実施について
 私は平成13年に葛飾区議会に送って頂いて以来、金町駅の交通問題について、「亀有・金町の交通問題を考える会」の皆様と共に、JR東日本に対し、快速線の金町停車、千代田線の延伸、駅舎の建替え等、平沢勝栄衆議院議員と共に活動を続けて参りました。
今回、葛飾区はその第1歩である金町駅構内の南北通路の歩行者交通量および自転車交通量の把握を行い、将来の交通問題解決のため、南北自由通路の幅員検討の基礎資料を得ることを目的に昨年11月8日(13時間)調査を実施しました。併せて、金町駅周辺の今後の道路整備や交通体系の一部見直しのための調査を19か所で実施しました。

5.都県境の「加用水」整備の早期実現について
東京理科大の開学を来年に迎え、(仮称)新宿六丁目公園整備も着々と進められ、水元公園の拡張整備である東金町多目的広場も完成し、柴又から江戸川堤を通り水元公園、西水元水辺の公園、(仮称)新宿六丁目公園などの緑の拠点と河川を結ぶ、人や自転車が安全・快適に通行できるネットワークができようとしています。しかし三郷市の排水処理の関係で、江戸川と小合溜を結ぶネットワークの要となる加用水部分の公園整備が未だ着手されておらず、当該箇所が整備されれば、柴又から水元公園全体につながるネットワークは構築されます。
そこで、三郷市などとの協議の状況や今後の方向性について伺い、答弁を得ました。
 
.東金町八丁目の都立水元公園内に位置する加用水は、三郷市高州周辺からの雨水排水、国道298号及び都道松戸草加線の道路排水が流入しており、水路としての機能が廃止できないことから、都市計画公園の事業認可区域にありながら公園整備に着手することができない状況にある。
.主な原因となっている三郷市からの排水の受け入れについては、平成7年度に、東京都下水道局が下水道の完全普及を図るため、三郷市からの流入水を加用水に経由させ、東金町ポンプ所付近の下水道雨水幹線に仮取入れすることが東京都と三郷市との協議により合意された。
.本区としては、合意後15年を経過した現在においても、その状況が−向に改善されないことから、三郷市に対して地区内処理を要請しておりますが、三郷市高洲地区の下水道整備の予定が平成32年度以降とされていること、在来排水路の切替え路線が近くにないことなどから具体的な協議には至っていない。     
.加用水へ排水している三郷市や各道路管理者等に対して、建設負担金を徴収し、加用水に新たに排水管を敷設することで、公園整備を先行する提案もしたが、費用負担の点で話し合いが進展すること無く現在に至っている。
.このような状況の中、三郷市からの生活排水や雨水排水を最終的に受け入れ処理している東京都下水道局としても、受け入れ期間が長期にわたることから、現在、三郷市と再協議を進めており、その協議の中で、期限を付けて排水の切り替えを要請しているが、解決には今暫くの時間が必要である。
.加用水及び中央水路(整備済)は平成12年4月26日の東京都公園審議会の答申において、「江戸川から小合溜へと連続する“水の軸”をつくり、開園部分の水郷景観と調和した景観の創出を図る。」とされております。区としてはこの整備が進展することで、江戸川と水元公園全体を結ぶネットワークが構築できるものと考えており、引き続き東京都及び三郷市に対して整備に向けた要請を粘り強く行っていくとの考えが示された。
 このネットワークが出来ると災害時の避難路としても使えることから早期解決をお願いしたいと思います。

6.プロサッカークラブ オフィシャルサッカースクールの誘致について
昨年12月18日、サッカーのクラブチーム世界一を決めるトヨタ・クラブワールドカップ決勝が横浜国際総合競技場で行われ、欧州代表のバルセロナ(スペイン)が、4−0で南米代表のサントス(ブラジル)に快勝し、2年ぶり2度目の優勝を果たしたことは、皆さんもご存知かと思います。
 欧州プロサッカーのトップクラブ「FCバルセロナ」が、サッカーの普及とサッカーを通じた少年少女への教育を目的として、日本におけるオフィシャルスクール開校の意向を持っていることを受け、数年前から「プロサッカークラブ オフィシャルスクールの葛飾区開校を進める会」が中心となって、誘致活動を進められてきました。
これを受け、葛飾区はFCバルセロナオフィシャルサッカースクールの区内での開校を推薦すると同時に、スクールが拠点とするグラウンドとして東金町運動場多目的広場(夜間週4日程度)と付帯設備の確保など、スクールの誘致に協力しています。
FCバルセロナは、欧州の強豪クラブチームであり、知名度も高く、オフィシャルスクールとしての価値が高く、サッカーをしている子ども達にとっては夢が広がることが期待できます。
また「キャプテン翼」の原作者高橋陽一氏は葛飾区四つ木出身であり、主人公(翼くん)がFCバルセロナの選手であることもあり、今後、亀有の「こちら亀有公園前派出所」両さんと共に金町の「キャプテン翼」は葛飾区の知名度を上げる良い切っ掛けになることを期待したいです。
※平成23年度9月定例会、補正予算で東金町運動場多目的広場
整備経費が計上されました

7.ベトナム研修視察会に参加して
私は今回葛飾区商工会議所の会員で構成されている東都経済懇話会主催のベトナム研修視察会に11月12日〜14日までの日程で参加して参りました。
日本経済新聞によるとベトナム政府が2011年に認可した日系企業の進出件数が過去最多で円高や東日本大震災を機にアジア進出を目指す中小・中堅企業の受け皿となっているとの報道がありました。
日本貿易振興機構(ジェトロ)のデータでは、日本からベトナムへの海外直接投資で新たに認可された件数は前年比82%増の208件となり、東南アジアの中では相対的に低い賃金や、中国市場に近い立地が魅力とされています。
最近の経済状況の中で環太平洋経済連携協定(TPP)、経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)が話題になっており、成長著しいASEAN諸国の実情をこの目で確かめたいとの想いから参加させて頂きました。
ベトナムに着き、まず驚かされたのはバイク部隊、どの街角にも目を見張るバイクに日本のカミナリ族を圧倒するその数、夫婦子供4人が乗った家族バイク、夜遅くまで続く光景には、ベトナムの活力を肌で感じてきました。
JETROホーチミンを訪問し、中西アドバイサーから「ベトナムの現状と投資状況」の説明では、国を開いて10年、日本がODAによるベトナム援助の最大供与国、仏教徒が8割を占め、平均年齢が30歳、ASEAN6カ国のうち日本が重要なパートナーとして中国、米国を抜いていること、ベトナム日本商工会議所登録企業数は950社など様々な話を現地で聞き大変力強く感じました。
またベトナム商工会との会合では若手企業家との話し合いを通して、この国の5年後、10年後の将来を想うと、再度訪問したい気持ちに駆られました。
今回は更に葛飾区からベトナム、ドンナイ省に進出した三正工業さんを視察、円高という日本の厳しい状況の中、海外への活路を求める熱意に、私も今後、日越の友好関係が築けるよう応援していきたいとの想いが致しました。

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