区政報告    

第30回区政報告
平成23年度第2定例会が6月13日から開催され、自由民主党議員団を代表し「東日本大震災・原発事故を踏まえての危機管理について」質問し、その内容を報告させて頂きます。
3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災は未曽有の大災害を引き起こして、早くも5ケ月が経過しようとしています。
被災地は、いまだにがれきが残り、地盤沈下した沿岸部では満潮時に冠水している状況が続いています。また、福島第一原子力発電所の事故に関しては、収束のめどさえ立っておらず、今なお10万人余りの人が避難所生活を送っており、生活再建にはなお時間を要する状況にあります。被災された方々に、改めましてお見舞いを申し上げる次第であります。
こうした中、現在、日本では一丸となって「絆 がんばろう日本」のスローガンの下、安全で安心できる世界一の日本を目指して、復興支援の動きが広まっております。
私たちは今後も、被災地への支援を強化し、頑張る人を応援し、弱者に手を差しのべ、「自然と共に」を原点として、日本の歴史と伝統と文化を守り、安全・安心な都市づくりを進めていかなければなりません。

今回の大震災では、「想定外」という言葉が頻繁に使われてきました。
三陸沖では、これまでにも幾度となく大きな地震が発生し、そのために防波堤や防潮扉などの津波対策をはじめ、様々な対策を採ってきたにもかかわらず、今回は、これまでの経験則が通用しない、かつてない規模の大地震、そして大津波が起きてしまいました。その点では、確かに「想定外」の災害だったと思います。
しかし、一方で、その地震や津波を経験していない子どもたちが、日頃の避難訓練を忠実に実行し、高台に避難して助かったという事実もあります。
このようなことから、災害を防ぐことはできないまでも、被害を最小限に抑え、また拡大させないためにも、「想定外」を意識した区の防災計画を見直す必要があるのではないかと思います。

1.地域防災計画の見直しについて
今回の東日本大震災・原発事故を踏まえ、葛飾区の危機管理について、何が見えてきたのか、また、何が不足していたのかという観点から、今後の葛飾区の地域防災計画の見直しを訴えました。
これまで想定したことのない規模の地震、津波が発生したことから、今後、国や都の動向を踏まえ見直しをすることが確認されました。

2.次に、災害対策本部、危機対策本部の対応について
本区で震度5弱を観測した東日本巨大地震に対し即刻、災害対策本部が設置され、情報収集及び応急対応、小・中、全校で避難所が開設、翌12日には災害時における相互協力協定を締結している自治体への物資の輸送、14日には計画停電への対応、16日には原発周辺地域からの避難民の受け入れ、その後、水道水からの放射能への対応、放射線測定へと次から次へと課題が出る中、区長が掲げる「スピードアップ」の取り組み、決断は高く評価されます。
その災害対策本部、危機管理対策本部における意思決定の仕組みは、 区長を本部長として副区長、各部長、さらに本部員以外の関係課長が同席することにより、各所属への情報が効率的に処理されたことが意思決定の速さとして効力を発揮されました。

3.次に学校避難所管理・運営について
震災での新たな課題は帰宅困難者対策であります。
帰宅困難者対策について、学校避難所に地域住民である被災区民と帰宅困難者を一緒に受け入れていくことは、避難所の規模や備蓄物資量から考えても困難だと思います。
今後、区として、帰宅困難者対策、被災区民の対応にどのように取り組んでいくのか、併せて、学校避難所の運営のあり方については、より実践的な運営方法について検討していく必要があると私は訴えました。
葛飾区では今回、学校避難所が帰宅困難者の受け入れ施設となり、1千人以上利用されましたが、今後さらに多くの帰宅困難者が発生した場合、駅周辺や幹線道路沿いの区有施設や民間施設等を帰宅困難者の受け入れ施設と位置付け、受け入れ人数の拡大を図ると共に、被災区民の避難所については区立、小・中学校を第一順位と指定、地域の自主防災組織との連携については課題の抽出と改善策の検討を図るとの答弁がありました。

4.学校の危機管理対応について、
1)今回の震災発生時の各小・中学校における、児童・生徒の下校対応と児  童・生徒の安全確保についてどのように考えているのか伺いました。
災害が起きた場合、児童生徒の安全が第一であり、今回、学校により対応がまちまちであった。今後は家庭と確実に連絡を取り、子供を引き渡すことが適切との答弁がありました。
2)学校における節電対策、数値目標(15%削減)を達成するためにどのような対策をとられるのか伺いました。
3)保護者の中には、移動教室先の放射線量の影響を心配する声があり、日光林間学園やあだたら高原学園の移動教室、岩井臨海学校等の宿泊行事の実施について質問しました。
 
5.放射線測定について
福島第一原発事故を受け、都内自治体でも独自の放射線量測定を行う動きが広がるなか、葛飾区は6月2日、区内4地点で放射線が測定されました。
これまで、都内の環境放射線については、新宿区で測定を実施していましたが、葛飾区に於いて測定したところ、地上1b地点で1時間あたり0・21〜0・28マイクロシーベルトとなり、子供の屋外活動を制限する国の基準の同3・8マイクロシーベルトを大幅に下回っていることなどから区は「健康に影響を与えるレベルではない」と説明していました。

しかし葛飾区はこの段階では公園を主体に計測されましたが、父母から求められているのは、子供たちが一番活動している場所とか、体育の授業で使う場所等での計測ではないのかと訴えました。

港区、練馬区、江東区、世田谷区では区内の幾つかのブロックに分け、保育園、幼稚園、小中学校での校庭、プールでの測定を予定しており、また、千葉県でも、柏市、松戸市、流山市、鎌ヶ谷市、野田市、我孫子市の東葛6市で6月2日公表されたのは、保育園、幼稚園、小学校が主な測定地点となっています。
葛飾区でも、7ブロックの中の保育園、幼稚園、小学校での計測を専門業者へ期限付で委託する考えはないのか質問しました。

更に今後、学校や区立の屋外プールがオープンしますが、水質についても他区では検査機関に送って放射性物質を調べ、公表するとしています。
様々な課題が学校にも寄せられていると聞いていますが、学校長の判断だけではなく、共通理解の上で統一対応ができる決定が求められているのではないでしょうか。正確な測定に基づく正しい情報と専門家による分析と判断により、区としての安全が公表されれば、区民も安心して子どもを学校に送り出すことができるのではないのかと訴えました。
 もし逆に心配な数値となった時にも、専門家による判断とその対応についての指示があれば、区としても統一した対応について学校に指導できることとなり、保護者が学校間での対応の違いによって不安にならないと考え、私は3点について質問致しました。

1)区の放射能対策に対する基本的な方針について、葛飾区は区民の不安を払拭することを最優先に考えており、可能な限り正確な測定を行い、信頼できる測定値を速やかに公表することが重要との答弁でした。
2)区内7ブロック内の保育園、幼稚園、小・中学校で定期的に測定し、  専門家のコメントを添えて発表すること。更に、対象施設だけでなく、土壌やプール水など測定対象の種別についても拡大してはどうか伺いました。
3)測定の拡大にあたっては、効率的に実施するため、外部委託について
  も検討してはどうか伺いました。
その結果、6月2日からの区内7か所の公園での放射線量の測定に続き、6月15日には公私立保育園75園、公私立幼稚園33園、区立小・中学校73校、計181か所での放射線測定が決定されました。
更に6月27日、学校プール水の放射線物質測定が区内全小・中学校(73校)で7月より実施されることが決定、測定には専門業者に委託、7月8日学校プール水の放射性物質が不検出との結果が出ました。

6.緊急節電対策について
1)本庁舎をはじめとする区有施設の節電対策の基本的な考え方及び対策の内容について
2)区民や事業者に向けた節電促進策はどのように考えているのか
3)東京電力福島第1原発事故の長期化が懸念されるなかで、他の原子力発電稼働状況も不安定であり、電力の需給バランスも綱渡り状況に於いて、区として危機管理という中長期的な観点から考えていく必要があると訴えました。
また葛飾区は、電力の大口需要家として、また、区民や区内事業者に対する節電への協力を求めるためにも、積極的な取組みを示していくべきであると指摘しました。
原発事故に伴う今夏の電力不足対策として、政府は最大使用電力の削減目標を事業者・家庭に対して、一律15%とする方針を受け、葛飾区は区有施設全体の使用電力の削減率を15%と決定、総合庁舎については、区としての率先行動として削減目標を25%とするとの発言がありました。

7.複合災害を踏まえた災害対策の見直しについて
今までの防災対策は個別の対策が中心で、地震、津波、水害など複数の災害が同時に発生する複合災害について、今後再検討すべきと指摘しました。
もし葛飾区が被災した場合、想定外の事例として、災害時の本部となりうる施設の喪失、全電源喪失、避難指示を伝えるための通信・伝達手段の喪失等を想定した防災対策を組み立てていかなければならないと訴えてきました。
これまでも、庁舎の防災機能について、私は再三質問をさせていただいております、地震などによる災害が発生した時には、現庁舎は機能するのか、庁舎の建て替えまでの10数年間、現状の危機管理体制でいいのか?
新しくできた葛飾区保健所及び子ども総合センター5階屋上にも自家発電装置が設置されましたが、被災後1週間は電源の確保が難しいと言われています、庁舎の代替電源設備の確保について、再度検討すべきと訴えました。
また庁舎内の防災センターの機能の一部である、アンテナや通信機器の再点検、区内全域の状況を知るためのモニターの設置、防災センター室等の充実、固定電話や携帯電話等の通信手段が途絶した場合には衛星携帯電話等の配備も検討すべきではないか指摘しました。
区民の安心、安全を確保するためにも平常時と災害時の両方に対応できる施設整備が必要であり、そのための予算処置が当然必要となります。
以上の指摘から次の回答を得ました。

(1)区内の本部機能を分散すべきとの指摘については、新宿6丁目公園予定地、新小岩公園に現地対策本部を想定し、施設整備を行う。

(2)庁舎の電源喪失に際して、代替電源設備の確保が必要との再三の指摘に対し、8月2日テレビ朝日でこの問題が取り上げられ、現在、代替電源である発電機の設置を真剣に検討していることが表明されました。

(3)区内全域を見渡し、本部で集中的に状況確認ができるモニター設備の設置が必要との指摘に対し、現在、国土交通省が荒川河川敷に防災カメラを設置しており、今後、区でもその情報を確認することができるようになる予定ですが、この仕組みも含め、その有効性について今後検討してまいりたいとの答弁を得ました。

(4)情報収集、会議、指示などを1か所で行える、庁舎内防災センター機能  を充実するべきとの質問に対し、現状の庁舎において、物理的に一体となることは望めない状況であり、今後とも本部室、情報通信室及び無線室との連携をソフト面で強化しながら、防災センター機能の充実に努めるとの発言があり、新庁舎の早期実現が強く求められています。

8.社会福祉協議会に設置される災害ボランティアセンターと災害対策本部との役割分担について、
東日本大震災においては、全国からボランティアが被災地に駆けつけ、助け合いの精神で、被災者の生活支援に尽力している状況であり、自治体としては 災害時のボランティアの受け入れが人々の生活と地域の復興のため.にたいへん重要であると考えます。
区と社会福祉協議会の間では、災害応急・復興のためのボランティア活動について協定を結んでおり、災害時のボランティア受入については、社会福祉協議会の組織体制で運営されていきますが、連携の強化が求められます。 また、今回の震災では、被災地内外の災害ボランティア団体やNPOが独自性を生かしつつ、地元との協働関係のなかでの活動が目立っています。そのようなボランティア団体やNPO、また自衛隊などの関係機関との連携をはかるべきと訴えました。

9.今後の防災対策について
(1)東京湾における津波の可能性について
今回の東日本大震災では、荒川の岩淵水門付近で、最大60cmの水位の上昇が観測されています。政府の地震調査委員会では、大地震の発生確率や、発生規模、連動型地震などの再検討を行うことが発表されており、本区としても、この見直しを注視していく考えが示されました。
(2)河川の耐震対策について
本区を流れる荒川の堤防については、震度5レベルの耐震対策が既に終了していますが、水防上重要な施設である綾瀬水門については、今年度から、全国に先駆けて、水門の操作台や門柱を鋼板等で補強するなど、更なる耐震対策が実施される予定となっております。
江戸川については、既に耐震対策は終了しており、現在、新たな課題として提起された浸透破堤対策が順次進められております。
中川につきましても、高砂橋より上流の国土交通省の管理範囲は耐震対策が完了しており、下流の東京都の管理範囲にいても、現在、七曲部において耐震対策が順次進められております。10.区内産業に対する震災対策について、
1)被災された区内事業者のための融資制度について、
2)緊急的商店街を支援として、地域と連携したイベント助成
3)被災事業者へ、区の所有施設(工場団地)の短期的に貸し出しについて
  質問いたしました。

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